Category: Film
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キャプテン・アメリカ;ブレイブ・ニュー・ワールド 映画
🍿 Captain America: Brave New World (2025)
公開初日からいい評判が聞けなくて不安だったけど。観に行ったら十分面白かったので安心した。MCU初見の人が観に行ったらわけがわからないだろうな。ディズニープラスも契約していないといけないかもしれない。そういうことは脇に置いて、サム・ウィルソンのキャップは対話を重視するキャラクタでとても好感が持てた。彼のバックボーンである退役軍人のカウンセラーだったことがなかったことになっていない。激しく強いわけでなくても、優しくて頼り甲斐があって、心の中には常に自分が選ばれたことが間違いではなかったのかと葛藤している新しいヒーローだった。今回は久しぶりに吹替ではなく字幕版で鑑賞した。主人公サムの日本語吹き替えは映画と配信で別の人が演じている。映画はこのキャラクタがMCUに初めて登場した当時人気があった若手の俳優だ。彼の印象に引っ張られたくなくて字幕版を選んだ。映画の日本語版予告を見る限りは吹き替えでもよかったかもしれないと思った。
MCUではインクレディブル・ハルクに直接繋がっているわけだけど。不幸なことにこの作品は日本ではアイアンマンより先に公開されてしまった。僕は映画館で観たけど、エンドロールが終わった直後に髭を生やした格好良い紳士が出てきて混乱したのを覚えている。でもそんなことは数年間忘れてしまっていて、ずいぶん後からWikipediaであれがトニー・スタークだったと気づいた。本来ならアイアンマンの次に公開されないといけないのに、なんらかの理由で日本では順番が変わってしまった。その後ハルク役の役者も降板して変わってしまったので、僕にとってハルクはいつの間にかアベンジャーズにいた人って印象になってしまった。チーム内で単独作がない唯一のヒーローだと勘違いしていた。インクレディブル・ハルクを観直すいい機会かもしれない。
ハリソン・フォードが今回の映画の中心人物で彼の演技が本当に素晴らしかった。コミックの世界を現実にあるように見せるためにCGIが使われているのだが、彼は演技だけでそれを成し遂げているように見えた。本当にすごい役者だったんだな。
野生の島のロズ 映画
9つの賞を受賞したと聞いて観に行ってきた。実はノーマークで劇場で観るつもりもなかった。観に行って良かった。約100分の上映時間中に一度もだれることがなかった。映像が美しいだけではなくて、画面の中で何が起こっているのかが常に理解しやすかった(一度観ただけでは理由はわからない)。野生の中では生と死が当たり前のように描かれてもいた。終盤にロズは仲間と一緒に島の動物達を救おうとするが、手遅れだったものもいる。雪を掘り起こして巣穴を覗いた後に、首を振ってまた雪で埋め戻す。この行動で理由はわかる。この場面にセリフはないので幼い子供が観てもすぐには理解しないかもしれない。厳格な野生の決まり事がある世界設定だ。喋る動物達が吹雪の中で捕食者も被捕食者も関係なく寄り添って生き延びようとする。見ようによっては幻想だけど、現実の野生でも起こることだと何かで読んだことがある。とにかく映画館で観て良かった。
日本語吹替版で観た。というよりこれしか観る方法がない。字幕版が観られる映画館は少ないからだ。狐役のペドロ・パスカルが素晴らしいとSNSに投稿されていた。かなり気になる。ちなみにロズ役の綾瀬はるかは声だけの演技も上手かった。ずっと聴いていたくなる声だ。
トワイライト・ウォリアーズ 映画
🍿 Twilight of the Warriors: Walled In (2024)
クーロン城を舞台にしたアクション映画であることくらいしか知らずに観に行ったら、出てくる男たちの格好良さにすっかりやられてしまった。日本で予想外にヒットした理由がわかった。こういう格好良い男たちが出てくる映画は日本人好みだからだ。僕が若い頃に香港映画ブームがあったと記憶している。自分では映画館に行って観るような年齢ではなかったんだけど。たぶんこういう映画が沢山あったんだろう。言葉でなく行動で信条を示して見せる男達の映画だ。もちろん女性達も格好良かった。
劇場版忍たま乱太郎 どくたけ忍者隊最強の軍師
🍿 Nintama Rantaro the Movie: The Dokutake Ninja Team’s Strongest Strategist (2024)
あまりに評判がいいので映画館まで観に行ってしまった。検索して調べたら忍たま乱太郎のテレビシリーズは1993年から続いている。32年前なら僕は高校生だったはずだけど、シリーズの最初の頃は観ていたみたいだ。それ以来だからずいぶん久しぶりだけどメインキャラクターの関係性は覚えているので当時熱心に観ていたのかもしれない。人気シリーズだったんだろうし。
子供向けの忍者コメディのはずなんだけど、映画は最初から月に不吉な影が映り、血の色を連想させる赤い花が映し出され、悲鳴や下卑た笑い声が背景に流れるような深刻な雰囲気で始まる。メインキャラの土井先生が戦災孤児の設定だからだろうけど。略奪された村の出身だったことを連想させる始まり方だった。戦闘シーンもシリアスなものになっていたし、とても子供向けとは思えないんだけど。いつも通りの笑える展開もあるので、年齢の低い子供にはわからないけど、大人にはわかるように作ってある。昔観ていた人向けの作品だったのかもしれないが、難しいことがわからない年頃の子供にも感じるものがあるだろう。彼らが大人になったときにこの作品は本当に凄かったと語る日が来るような気がする。10代の頃にテレビシリーズを観ていた僕自身がそういう気持ちになったからだ。
ビーキーパー
かなり面白かった。日本のXでは主役のジェイソンステイサムが演じた役がほとんどホラー映画の殺人鬼のようだったと評価されている。彼の演じた似たような役にワイルドスピードシリーズのデッカードがいる。標的を定めたら、どこにでもいきなり現れて暴れまくる。狙われた側はただひたすら逃げるしかない。今回の養蜂家役もそれだった。物語のきっかけになるのは身寄りのない高齢者だけを狙った詐欺集団への復讐だが、抗争のスケールがどんどん大きくなっていく。荒唐無稽な展開になるのが途中でそんなことはどうでも良くなる。映画の終わり方を見ても、余計なことは聞くなという感じでよかった。そのくせ詳細な設定がいくつも隠されているように見えるのも面白い。とても楽しい映画でした。
アイズ・オン・ユー Netflix
🍿 Woman of the Hour (2024) 現実のシリアルキラーがテレビのデート番組に出た実話から着想を得て作られている。俳優志望の女性を主軸にしながら、時間軸を変えて殺人鬼の犠牲になった女性たちも描かれる。時間と空間を超えた女性たちの連帯が殺人鬼に迫っていく。見終わった後にSNSで評価を調べると、男性の自分からすると気付かなかった点が多かったことに気づく。デート番組の出演者男性の一人が殺人鬼の異常性に気づいて主人公に密かに忠告する場面が記憶に残った。この男性は女性に対して態度が悪いと評価されながらも、最後に一つだけ良い事をする。本当にここだけが登場する男性の唯一良い部分が描かれた場面だった。
レベル・リッジ Netflix
全体的に静かで小規模だった。もう少し短くても良かったかもしれない。2時間超えは長すぎる。もしかしたら前後編とかで作る予定だったのだろうか。
アメリカの田舎の小さな街に巣食っている悪と流れ者の主人公が対決する構図は、Amazonプライムビデオのリーチャーシーズン1と似ている。どちらも日本のドラマとは違う、あまり大きくない警察署内の描写が興味深い。
レベル・リッジでは敵方にも彼らの正義がある。後半は暴走するが警察署長にも彼なりの通すべき筋があったようにも思えた。主人公側にも彼に協力する人たちにも、それぞれの流儀とか道徳心があった。それぞれの流儀がボタンをかけ違えたようになり、最後は直接的に対決しないと収まらないところまでいく。
暴力的な場面は少なく、常に抑圧的で主人公は素手と非殺傷を貫こうとする。穏やだが実は危険な人物が怒りに任せて戦う映画ではない。耐え忍んだ後に己の議を通じて社会の不正を正そうとする。主人公はその力と精神を持った人物として描かれていた。澄んだ眼差しの主人公を演じたAaron Pierreが印象に残った。
山逢いのホテル
🍿 Let Me Go (2023) 毎週街から離れたホテルで寝る相手を探す女。彼女には事情があって街を離れられない。男達から彼らの住む街の話を聞いている。自閉症の息子のためではあるが、どこにも行けない自分への慰めのようでもある。日本でこういう物語をやるともっと湿度の高いものになるだろう。そもそもこの映画の主演女優のような年齢の女性で、境遇からの解放というと少ないというかほとんどないのかもしれない。いや、なくはないか。でももっとこう家族的というか、逆にかなり激しいものになりそう。この映画はもっと穏やかで静かだけど、内面にものすごく激しいものがある。こういう台詞で語らない映画を最近は洋画でしか見かけていない。