🍿 Gobangiri (2024)

前半の人情噺のような部分が好きだ。國村隼が演じる商人は最初は好ましくない性格の人物として登場するが、主人公の浪人と気心の通じ合った碁敵となってからは懐の深い善人になる。浪人は実直だが堅物な人柄で最初はほとんど感情を表に出さないが、相手役の商人は表情や仕草で変化が見て取れる。この商人がいなければ、主役の浪人だけで物語の前半部は平坦でつまらないと感じたかもしれない。國村隼という役者が本当に素晴らしいのだと思わされた。 主演の草彅剛は自分と國村隼のラブストーリーだと映画を語ったそうだが正しくそうだったのだと思う。

鑑賞後に知ったが、元は講談を落語に転換したものだそうだ。人情噺の後半部に激しい場面を付け足して映画に仕立て上げたものだった。

Gobangiri poster

Youhei Takeguchi @takezin