尊敬していた会社の先輩たちが揃って送別会を嫌っていた。 集まって飲むための口実でしかなく、見送られる方には楽しいことがないというのが理由だった。 先輩の1人が辞める時も送別会は固辞していたが、上司が強制的に参加させた。しかし先輩は会場までの途中で曲がり角に来た時にさっと道を曲がって消えていった。先を歩いていた上司が振り向いた時にはもうどこにも居なくなっていた。 どうするのかなと思って見ていたら、上司は何事もなかったように歩き出した。そして主賓がいない送別会は滞りなく催された。 本当に集まって飲む口実が欲しいだけだった。 それ以降僕も送別会というのは参加しないことにしている。
Youhei Takeguchi
@takezin