県外で欠員が出そうな現場があると会社から連絡が来たが、引越しはしたくないので断った。何故かその後動揺してしまった。
若い頃はどこにでも住むしどこでも行くというスタンスだったのに。今になって「この家にいる時が一番楽しい。地元も嫌いじゃない」と変わってしまった自分に不意に気づいたからだ。
変化の理由は関わった人が増えてしまったからだろう。10年前に名古屋にいた頃は人にも土地にも未練を持たないようにしていたつもりだった。いまになってみると他者との関わりを拒絶していただけで、未練を持たないということが出来ていたわけではなかった。
10年同じ場所で過ごしたのは一緒なのに、人と関わったかどうかでこうまで自分が変わるのか。もし以前と同じように過ごそうとしても、実家が近いためにまだ健在の家族は半強制的に関わらざるを得ない。どうしたって変質するのは避けられなかった。
そんなに悪い気はしないんだけど。