本当に素晴らしいシティーハンターの実写化

🍿 City Hunter (2024) 今まで何度も映像化されたオリジンの部分を今作でもなぞっている。 シティーハンターとしては新しいストーリーではないのに、いままで観たことのない映像化だと思わしてくれてたのは、主演俳優の発声やアクションシーンでの身体操作などに寄る部分が大きい。例を出せば、ハイスピードのリロードとそれを実現するために演者自身が払ったコストの大きさがSNSでも話題になっている。制作側の昔好きだった作品、主人公への憧憬そのままに映像に落とし込もうとしている。少年漫画誌の黄金時代と同時にテレビアニメーションも最盛期であり、同時期に作られた素晴らしいアニメーション版への尊敬も込められている。 意外にも本邦ではこれが初の実写化(続編のエンジェルハートがあるが)で、フランスの実写映画もすごい出来栄えだったけど、夜の新宿にいてこその冴羽獠でありシティーハンターなのだとあらためて気づかせてくれた。
🍿 The Birth of Kitaro: Mystery of GeGeGe (2023) - ★★★★★ アマゾンプライムで配信が始まったので、劇場公開以来の2度目の鑑賞。 あらためて見直すと100分くらいで物語をまとめあげていたことに驚いた。小説のジャンルで言うところの伝奇ミステリで。時代は戦後だが古い因習に囚われた山奥の小村で起こる欲深い人間の業の物語になっている。初見時は気付いてなかったけど、村で起こった連続殺人の謎解きという探偵ものの要素も入っていた。妖怪の仕業で片付くでの複雑な仕掛けなどはないのだけど。誰が仕掛けた犯人かというのはよく見るとちゃんと伏線が貼られている。 原作と随分離れたオリジナルストリーだけど。最初と最後に鬼太郎が出てくることで全て鬼太郎の物語に取り込まれるようになっている。 ラストシーンの後にタイトルが出て来たところで、これが鬼太郎誕生の物語だったことを思い出したくらいだった。 そのくらい自由に描かれた鬼太郎前日譚になっていた。 ちなみにXなどでは主人公の水木と鬼太郎の擬似親子関係を描いた2次創作がよく流れてくる。 劇場公開時は不幸な結末に至った脇役達にも言及している投稿が多かったが、ここ最近はまるで見なくなった。 水木自身もかなり複雑な背景設定があるのだが、2次創作ではいい父として描かれる傾向があるのは不思議だ。
アマゾンプライムビデオで『フォールアウト』が歴代2位の視聴回数を達成したらしい(1位はトールキン原作『力の指輪』)。 僕が使ってる海外のブログサービスのテレビシリーズのジャンルでも繰り返し話題が投稿されているので本当に人気なんだな。

コングが主役でゴジラが客演かな

🍿 Godzilla x Kong: The New Empire (2024) どんな映画かはSNSを通じて知ってたんだけど。観たら予想よりもずっと無茶苦茶な映画だった。躊躇いなく娯楽性に振り切っていて、コングとゴジラそれぞれのシリーズにあったシリアスな雰囲気はほとんどなくなっている。VS映画ってだいたいこういうお祭り騒ぎみたいな仕上がりになることが多い気がするが。とにかく今回は楽しくて面白い作品になっていた。 どちらかというとコングが主人公なんだけど。ゴジラは本邦のキャラクタであるし、ハリウッド版ならコングが主役で正しいのかもしれない。ゴジラが日本発のモンスターだというのは途中ですっかり忘れてしまっていたけど。 日本の不良高校生達が対決するジャンルムービーの流れを汲んでいるようだけど。あれも元々は昭和のヤクザ映画とか番カラの流れから来てるんだろうし。なんでハリウッドの最新の映画が日本の昭和っぽい展開になったのか不思議でならない。ハリウッドって本当にすごいんだな。

『Shogun』がもっと世間に知られたら良い

📺 Shōgun (2024) シリーズ全話を見終わった。ラストシーンは「これで終わり?シーズン2があるんだよね?」って思ってたくらいだけど。検索したら原作通りの終わり方だったらしい。制作者が原作のラストが好きだから続編制作はないとも知った。 少しの間だけ残念だと思っていたけど。主要な登場人物達が去っていき、残った人たちだけで続きの物語を紡いでいくのはちょっと想像ができなかった。それくらいに完璧な作品だったとあらためて気づいた。 日本の俳優達で日本の時代劇を海外制作のドラマとして作る、というのは並大抵のことではないと僕でも想像できる。原作は史実を元に想像を膨らませた小説だけど。原型を残したまま実際の日本史と重ねて見ることもできるクオリティだった。言語設定をオリジナル版にしてもセリフのほとんどは日本語で英語には字幕が付くようになっている。 主人公が難破した英国の船員だから、当たり前のように劇中には日本語と英語が入り混じる。会話劇中心に進んでいくというのに奇跡のように違和感がなかった。日本語の台詞回しは現代的な言葉遣いでもないから、日本語話者なら高品質の時代劇として楽しめる。逆に英語の字幕で見た人には、詩を読む場面は英語版の方がしっくりくると書いている人もいた。確か英語で書かれた台本を日本語に訳してから再度英語に翻訳していると何かの記事で読んだ覚えがある。 たぶんこの作品は日本人の方が楽しめたと思うんだけど。SNSでタイトルで検索すると日本語の書き込みより英語のレビューが多い。出てくる女性達を褒めている人が多いので男性ファンが話題にしているだけかもしれないのだけど。作品か出演者の誰かがメジャな賞を獲得したら、もっと知名度が高くなるのかもしれない。個人的にはもっと人に知られて評価されたら良いなと思っている。
会社の若い同僚が残業しているのをみると可哀想だなと思ってしまう。 この人が20代前半から知っているので、未熟だった時の姿と重ねて見てしまったのかもしれない。 今はもう20代後半になっているし、仕事も人よりできるくらいだけど。 最初に抱いた印象はあまり変わらないようだ。 自分も20代の頃に親から遅い時間まで働いているのは可哀想だと言われて、全く意味がわからなかった。自分が歳を取るとこうなるんだなとわかってきた。 昔は自分だって23時くらいに家に戻るのが普通だったのにね。
📺 Sugar (2024) AppleTV+ の新しいシリーズを見始めた。シュガーは現代的なハードヴォイルドストーリーだ。 個人的にはすごく面白い。
🍿 Jar City (2006) 邦題『湿地』。英語題名のJar City は劇中に出てくる人体標本を入れたガラス瓶の棚から取ったんだろう。 英題は微妙に違うような気がしないでもない。ちなみにアイスランド語の原題は『Mýrin』。グーグル翻訳だと沼地と出るので湿地でもほとんど意味は変わらない。 湿った土の底に折り重なっている過去の出来事を掘り起こすとき、過去は腐敗した異臭と共に蘇ってくる。掘り起こした後は明るみ晒すか再び埋め戻すしかない。映画の冒頭か最後のシーンまで一貫して過去の真実は地面の下から出てくる。原題と邦題の方が作品の本質に近い。 北欧ノワールは好きだけど、この作品は個人的にはあまりノレなかった。