インボイス反対署名は最初の提出で受け取らなかったことで、その後に何十万筆集めても受け取らないのは予想できた。それでも集めて提出しようとしないといけなかったんだろう。世間に知ってもらうために。

自分は事務的にはインボイス制度への対応はたぶんできる。でもこれから消費税を払うとなると収入的には相当厳しい。収入が300万円なら30万円払わないといけない。委託元が負担してくれたらいいんだけど。中小零細では相当な負担になるから期待はできない。正社員はほとんどいなくて大半が契約社員という業界で、最近は個人事業主も増えているという業界なので、今後しばらくはどうなるのかわからない。

『星くずの片隅で』。いい映画なんだけど、主人公の前に現れるのが若くて美しいシングルマザーではなかったらどうなっただろう。劇中では美しいことよりも素行の悪さを反省して懸命に働くところに主人公が惹かれていく描写はあるのだけど。演じたのが香港のトップモデルだったこともあって、どうしてもルッキズムの影響を考えてしまう。

🍿 The Narrow Road (2022)

たぶんどこの国でも起こっている出来事を穏やかに激しく怒鳴ったりするのではなく物語に落とし込んでいる。粗い部分や不必要に思えるシーンもあるんだけど。ずっと観ていたくなる映画だった。

The Narrow Road poster

🍿 Where the Crawdads Sing (2022)

人権を扱った話であるのは間違いないが。人の善悪の及ばない場所の話でもあった。観終わってから寝るつもりだったのに、事件を人と自然どちらの面から見るかで見え方が大きく変わると気づいて眠れなくなった。

Where the Crawdads Sing poster

🍿 Confess, Fletch (2022)

推理ものが好きなので観たら大当たり。自分が上品で洒落たコメディが好きなことを発見した。

この作品のことを知らなかったのでいま調べたら、劇場公開じゃなくて配信だったんだな。もったいないなあ。面白いのに。

Confess, Fletch poster

おそらくあと30年くらいで僕は働けなくなると思うんだが。その時にどうやって日々を過ごすのか?と考えた。街に出るとすることもなく徘徊している老人を見かける。職場の小売店にも毎日スーツでお弁当持ってきて休憩スペースで食べている人がいた。

小説はいいかもしれない。映画館に行くのもいいけど(実際に平日は高齢者が多い)。小説の方がちょっとゆったりしているからちょうどいいかもしれない。

最近見つけた投稿で”私が何かの依存症にならなかったのは暇な時に小説を読んでいたから”というのがあった。ああそういうものなのかと思って僕も小説を読むことにした。京極夏彦の新刊が今月出たのでちょうど良かった。分量もたっぷりある。今までも仕事をしていない時期はいつも精神的に病むのだけど。小説を読んでいたらそんなことはなかったのかもしれないなと思った。

前の仕事を離れた時に夏休みのつもりでいたけど。2ヶ月が経とうとしている。幸い生活は心配ないんだけどちょっと飽きてきた。SNSで保存している誰かの投稿に”漁師は漁に出られない時期に網を編む。自分も弱っている時期にこの言葉で救われた”がある。いまこの言葉の意味を実感している。

県外で欠員が出そうな現場があると会社から連絡が来たが、引越しはしたくないので断った。何故かその後動揺してしまった。

若い頃はどこにでも住むしどこでも行くというスタンスだったのに。今になって「この家にいる時が一番楽しい。地元も嫌いじゃない」と変わってしまった自分に不意に気づいたからだ。

変化の理由は関わった人が増えてしまったからだろう。10年前に名古屋にいた頃は人にも土地にも未練を持たないようにしていたつもりだった。いまになってみると他者との関わりを拒絶していただけで、未練を持たないということが出来ていたわけではなかった。

10年同じ場所で過ごしたのは一緒なのに、人と関わったかどうかでこうまで自分が変わるのか。もし以前と同じように過ごそうとしても、実家が近いためにまだ健在の家族は半強制的に関わらざるを得ない。どうしたって変質するのは避けられなかった。

そんなに悪い気はしないんだけど。

空き店舗は沢山あるが、新しく商売をするには賃料が高すぎることが多い。条件の良い物件は誰かがずっと借りている。場所もそれほど良くない。というか車で移動する土地柄なので路面店は駐車場必須。学生は客にならない。

まちづくりの専門家が「関わった商店街にすぐ土地を買おうとするおじいさんがいて困った」と言っていた。このおじいさんはまちづくりのために土地を買って建物を建てようとするらしい。専門家はあまりお金をかけず新しい箱物を作らない方針なので毎回止めるのが大変だったと笑っていた。

そういえば僕がお店を始めようとした時に実家から「土地を買うの?」と言われた。建物はこれが面白いよと言われて実際に住宅展示場まで見に行ったっけ。雑貨屋なので間口の狭い小さな建物で良かったから、これは全く的外れでなアドバイスではあったんだけど。徳島県でちょうどいいテナント物件を探すより自分で建てた方が良かった可能性はある。

まちづくり専門家の木下斉が講演で「(関わってる商店街に)放っておくと勝手に土地買っちゃうおじいちゃんがいるので困ってるんですよ」と冗談混じりで話していた。自分が開業するときに僕の親からも土地買ってそこに建てたらどうかと言われたっけ。そこまでしたら失敗した時に大変なので、考え方がだいぶ違うんだと思ったんだけど。

後になって考えたら、閉業しても建物と土地が残るならそれでも良かったかもしれない。徳島だと空き店舗が少ない上に、貸主も無理に貸したくない場合が多いので条件も悪い。自分で建てた方が良かったと言っていて、移転時に土地購入して自前の店舗を建てた商店主も知っている。これも地方ならではかな。

たぶん初めて夜に高松の商店街を歩いた。

映画の時間までの暇つぶしに本屋に寄ったら柴田元幸さんが来てて本の朗読会やってた。お腹が空いたので近くのスーパーで2割引の巻き寿司を買って食べた。

映画が終わったら22時を回ってたけど制服を着た学生が本を開いたまま歩いていて。ワイシャツ姿の二人組が並んで家の話なんかしている。

路地裏に入ったら野良猫の親子が驚いてゴミバケツをひっくり返して逃げたので元に戻しておいた。

全て歩いて行ける範囲の出来事だと思うと切なくなった。。3年前までこの近くに仕事で住んでいたのに、家からほとんど出ない生活をしていたのだ。とても悔やまれる。

🍿 Asteroid City (2023)

退屈せずに最後まで観られるんだけど終わってみたら何も残っていないというか。舞台演劇みたいなものを映画でやりたかったんだろうか?

すごく有名な俳優が大勢出演してるけど、その役は他の俳優では駄目だったのかなとも思った。

Asteroid City poster

『アリスとテレスのまぼろし工場』に登場人物たちが「気絶ごっこ」と呼ぶ遊びの場面が出てくる。後ろから相手の首を絞めて気絶させるという遊びだ。時が止まってしまった世界という特殊な世界設定で、刺激に鈍くなった子供たちは自然と痛みを求めるようになったとナレーションが入る。やっているのは友達同士で明確な上下関係もない。ここでは友達同士のじゃれ合いにしているが、現実にあったいじめの方法だしその場面はいじめの現場そのものに見えた。時が止まり変化することがない世界でより強い刺激を求めるようになった子供達を現実のいじめと絡めたかったのかもしれない。この部分は映画の本筋とあまり関係がないんだけど。

iOSとiPadOSを最新版に更新した。最新版の目玉appのJournalはまだ使えないし、見た目に変化はないんだけど細かい部分で使いやすくなっている。ちゃんとお金かけて開発してるんだな。

🍿 Alice and Therese’s Illusory Factory (2023)

ハイレベルのアニメーションに演技と演出とストーリー。細かい説明は抜きにして進行するため、なんでそんなことになるのと疑問が湧いてくるような展開がいくつか気にはなりました。

劇中のある人物にとっては”行きて帰りし物語”であり、別の人物にとっては”ボーイミーツガール”でもあるので観客によって感想はだいぶ変わるのかもしれない。

レベルの高いアニメーションだったけど、ちょっとよくわからなかったというのが僕の感想。

Alice and Therese’s Illusory Factory poster

自分の商売で食っていこうとするなら無茶苦茶しないといけないのかもしれない。店の棚に商品並べただけで売れてた時代ではないんだし。

ちなみに実家も商店で親は「棚に並べてるだけで売れるし、3割から4割が利益なんだから楽よね」と言ってたりするけど。それを聞いて僕はバブルの頃からお客さんが続けて来てくれるからでしょと毒づいたりしてた。本当は営業努力してるからなんだけど。あの世代はそういうところを見せたがらないからなぁ。

母の実家の近くにどんなお店が入ってもすぐに潰れてしまう店舗があった。僕が子供の頃から何回も店が変わっていたんだけど。親の知り合いの男性が借りて、カラオケボックスと中華料理屋を併設した店になった。以降は入れ替わることもなく続いている。不思議に思って親が理由を聞いたら、24時間営業のカラオケボックスからの注文を中華料理屋の方で受けているかららしい。加えてそこの地域内には深夜までやっている店がないのも理由と好調の理由と教えてくれた。

あの人はバブルの頃に夜逃げした経験があるんだと親が教えてくれた。でも商才があったんだねとも。

夜逃げから社会復帰して24時間働く覚悟をしたのが成功要因だと思うけど。

僕のお店と同時期にオープンしていたカフェがあったけど今はもうない。僕は知らなかったんだけど母が店のインスタをフォローしていたので教えてくれた。「先のことは決まってないけど、閉店までよろしくお願いします」と書いていたらしい。

僕と同じで素人がいきなり店を作ったという感じだった。場所と内装にこだわって理想を追求したけど商売的な面ではいろいろ抜け漏れがあった。彼も僕も今からもう一度挑戦したら違う結果になるだろうか。

じゃぁ徳島以外の四国の他の県庁所在地には、小さくて賃料が低い空き店舗があるかというと違うだろう。

高松にも松山にも商店街の路地裏に素敵な小さな雑貨屋があったけど、もうみんな閉めてしまった。

高松市の商店街はよく行くけど。路地裏にあるなじみの店のいくつかは家族所有の不動産に店を構えている。

とは言え、商店街に活気がわずかでも残ってるのが前提なんだけど。

毎日物件探しをしてた頃、ある日びっくりするくらい好条件の物件がサイトに複数表示されたことがあった。幹線道路沿いで広い。どの物件も見た事ある。それはそうで好立地だから車で移動する時に目に入るから。賃料は相場以下。でも全て入居済みのはずなので、不思議に思って管理会社に連絡を入れたら設定ミスで表示されただけだった。

肩透かしを食らったようなものだけど。あの立地でこんなに安い賃料なら、長年商売が続けられるわけだと理解した。昔契約してそのまま更新していないのか。持ち主と借り主の間に何か関係があるとかだろうか。

これ以降条件の良いテナント物件探すのはやめた。良いものは表にはでないと分かったから。

徳島の店舗は本当に賃料が高い。持ち主もお金に困ってない場合が多いかな。立地や駐車場を考えたら個人商店だと自分で土地買って上物建てた方が安いかもしれない。

タウン誌に載ってる新店オープンの記事を読むと「親族が昔やっていて空き家になった店舗を引き継いだ」という人がたまにいる。外観は古いし立地も今の商売向きではないけど、賃料がかからないことに勝るものはhないんだろうな。

僕も徳島市内で空きテナントを探したら賃料が高くて困った。賃料以外の初期費用もやたら高いし。中には大型商業施設並みの条件を出してくる貸主もいて。保証金が賃料の数ヶ月分とか言われて目の玉飛び出るかと思った。それは無理ですと言ったらすぐ撤回してたけど。何も言わずに払ってくれたらラッキーくらいに考えてたんだろう。