📺 Leviathan (2025)

原作の小説が大好きで終わって欲しくなくて2年かけて読んだくらいです。アニメシリーズは原作に忠実に映像化しながら全12話に収まるように構成されていました。多少余裕がなく感じた部分もありますが、僕が読んだのは日本語訳バージョンなのでその辺りは印象が異なるのかもしれません。主人公アレックの英雄的な側面が強調されていたのも気になるし、ディラン(デリン)の少女らしい面があまり描かれていなかったことにも不満は感じました。要するに僕の原作への思い入れの強さが邪魔をしていただけで、アニメ化そのものは素晴らしい出来だったと思います。原作小説を読んでいなくても楽しめるようになっていました。小説の方がアレックとディランのそれぞれの冒険から始まった物語が、やがて出会い共に行動することで世界大戦を軸に物語がスケールアップしていくダイナミックさを感じることができます。小説の方がゆっくりと進むというのが僕個人の印象です。テレビシリーズももっと話数があれば違った感想になったのでしょうが、12話くらいがちょうどいい長さだったようにも思います。

今回あらためてストーリーをなぞってみると、典型的なボーイミーツガールのストーリーでした。ジブリの『天空の城ラピュタ』を思い出しました。比べるとリヴァイアサンは少女の方が空を目指しているところが違うくらいで、他の部分ではよく似ていました。 架空の世界を舞台にした少年と少女が出会って始まる物語は、ラピュタの影響下にある『アップルフェルラント物語』という漫画も読んだことがあります。こちらもよくできていましたが、ラピュタと似ているほど比較されてしまうため、漫画を読んだ時は物足りないなと思いました。現実の一部分を架空の物語にしたよりも、世界史そのものを改変したリヴァイアサンの方がより自由闊達な展開となったのでしょう。

余談ですが、 日本版はタイトルが変えられています。三冊の小説のうち一番目の作品のタイトルだけがリヴァイアサン。そのあとはベヒモス、ゴリアテとなっています。リヴァイアサン1、2、3で良かったと思うんですけどね。サブタイトルもあり、2巻目には「クラーケンと潜水艦」というサブタイトルがついています。作中に出てくるクラーケンとは違うものなのでややこしいのですが、これはサブタイトルを付けた人のミスでしょう。でも一番目の「クジラと蒸気機関」というサブタイトルは素晴らしいです。

Leviathan poster