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レベル・リッジ Netflix

🍿 Rebel Ridge (2024)

全体的に静かで小規模だった。もう少し短くても良かったかもしれない。2時間超えは長すぎる。もしかしたら前後編とかで作る予定だったのだろうか。

アメリカの田舎の小さな街に巣食っている悪と流れ者の主人公が対決する構図は、Amazonプライムビデオのリーチャーシーズン1と似ている。どちらも日本のドラマとは違う、あまり大きくない警察署内の描写が興味深い。

レベル・リッジでは敵方にも彼らの正義がある。後半は暴走するが警察署長にも彼なりの通すべき筋があったようにも思えた。主人公側にも彼に協力する人たちにも、それぞれの流儀とか道徳心があった。それぞれの流儀がボタンをかけ違えたようになり、最後は直接的に対決しないと収まらないところまでいく。

暴力的な場面は少なく、常に抑圧的で主人公は素手と非殺傷を貫こうとする。穏やだが実は危険な人物が怒りに任せて戦う映画ではない。耐え忍んだ後に己の議を通じて社会の不正を正そうとする。主人公はその力と精神を持った人物として描かれていた。澄んだ眼差しの主人公を演じたAaron Pierreが印象に残った。

Rebel Ridge poster

新年の抱負2025

そうだった!2025年になっていたのだった!新年最初の投稿が”寝坊した”になってしまった。

まあいいか。SNSでは0時すぎに新年の挨拶と抱負を書いてしまったし。

年が変わって最初のブログ投稿だからと、あまり特別なものにしたくはない。

でも、少しだけいつもと違うものを記したいと考えるのは少しはマシな大人になったからかもしれない。SNSには今年は変化の少ない年にしたいと書いた。私自身は常に変化をしたいと考えて生きてきたつもりだけど。客観的に見たら特に変わったことのない人生を送っている。大学生の頃に故郷から離れていたけど、その後は故郷の実家の近くに住んでいる。仕事も専門職に近い変化の少ないものになっている。自分では人と違う人生を望んでいたつもりでも、実際はほとんど変化が起きていない。自分自身が大きく変わることがないから当然なのかもしれない。なんとかしたいと考えたからだろうかよく転職をした。転職というかよく仕事を辞めていた。他の分野の仕事を見つけてきたこともあるし、結局元の業界に戻ったこともある。そのくらいしか出来ることがなかった。自分が変わらないのに何かが変わるわけはない。職と金がなくなって少しは学んだかもしれないが。それも大したものではなかったように思う。

変化しないというのは、何事もなく今年も去年と変わらないように努めて暮らしていきたいという決意表明だ。これは意外と大変なことだと思っている。これまでのように途中で投げ出したくなるかもしれない。仕事を続けられなくなっても”自分は特別”と思い込もうとしてはいけないからだ。誰でも当たり前にそうしているように、続ける努力をしないといけないからだ。もしかしたらその過程で、もっと収入を増やさないといけないと考えるかもしれないし。そのために何かを学ばないといけないと気づくかもしれない。変化を受け入れる必要が出てくるかもしれない。できればそうなって欲しいとは思う。矛盾しているようだけど。変わらないようにした方が、より変わる必要が出てくるのではないだろうか。これからの1年を通して観察していきたいと思っている。

山逢いのホテル

🍿 Let Me Go (2023) 毎週街から離れたホテルで寝る相手を探す女。彼女には事情があって街を離れられない。男達から彼らの住む街の話を聞いている。自閉症の息子のためではあるが、どこにも行けない自分への慰めのようでもある。日本でこういう物語をやるともっと湿度の高いものになるだろう。そもそもこの映画の主演女優のような年齢の女性で、境遇からの解放というと少ないというかほとんどないのかもしれない。いや、なくはないか。でももっとこう家族的というか、逆にかなり激しいものになりそう。この映画はもっと穏やかで静かだけど、内面にものすごく激しいものがある。こういう台詞で語らない映画を最近は洋画でしか見かけていない。

Let Me Go poster

『動物界』

🍿 The Animal Kingdom (2023) 人間が動物と混じった新生物に変わっていく世界で、新生物たちは隔離病棟に入れられ社会から差別されているという設定。見た目が変わるだけではなく、思考も動物的になっていくので意思の疎通がしにくくなっていくのも理由になっているんだろう。父フランソワと息子エミールの関係はホモソーシャル的に描かれている。二人にはそれぞれ女性のパートナーが登場するし、本来家族を役割として新生物になった母親がいるが彼女は映画ではほとんど出てこない。冒頭と終盤に巨大な母熊として少し登場するだけ。動物に変わった人間を野生に還すことで映画は終わるが、男性間での支配的な関係からの解放として見ることもできるように思った。

The Animal Kingdom poster

ロボット・ドリームズ

🍿 Robot Dreams (2023) 穏やかで弱い感動というのが見終わった印象だった。悪い意味ではない。激しく動揺するようなことはなかったけど。帰り道や家で風呂に入っている間に思い出して考え込むような内容だった。映画館で観た方がいいけど。一人で部屋を暗くしてテレビで観てもいいかもな。 Robot Dreams poster

ラーメンカフェ茉莉花

茹で加減を選べるのが博多ラーメンの特徴だが、通常一番柔らかい「やわ」よりも柔らかく茹でる裏メニュー「ずんだれ」というのがあると初めて知った。鍋の締めに入れる麺のような独特の食感になる。スープも絡みやすくなっていて、今まで食べていた麺と別物のようだった。とても好み。こんなのあるなら早く教えて欲しかった。 徳島県阿南市のラーメンカフェ茉莉花

Auto-generated description: A bowl of ramen with various toppings, including sliced green onions, red pickled ginger, and sesame seeds, served in a red bowl.

Twitter

日本でTwitterが使えるようになってからしばらくは他のサービスのユーザーたちは静観していた。承認も必要なく完全匿名でもないので使い方がよくわからなかったようだ。とりあえずアカウントを作ってた人らもいたが、プロフィール欄に無言フォローと非相互はお断りと書いていた。ルールがわかっていなかったのだろう。それから、数年してそれぞれのサービスが衰退した時に退去して移動してきた。それからTLの雰囲気が変わった。ネットスラングや他人を中傷するTweetが増えた。数は力であるから、いつの間にかそれがTwitterの元からの文化であるかのようになった(彼らもそのように振る舞った)。そして今TwitterからXに変わりTLには広告と過去の似たような投稿ばかりになった。この場所を離れる時が近づいているようだ。

エイリアン:ロムルス(2024)

🍿 Alien: Romulus (2024) エイリアンシリーズの最新作でシリーズの初心者でも楽しめるというレビューを信じて観に行ってきました。ドント・ブリーズのファンだからというのもあります。シリーズの長年のファンなら楽しめる仕掛けが多いらしいですが、私には一つもわかりませんでした。エイリアンと人間の戦力差がここまで大きということすら知らないくらいの初心者ですから。でも、十分楽しめました。この映画の続編が作られたら観に行くと思います。

Alien: Romulus poster

『スオミの話をしよう』(三谷幸喜 2024)

🍿 All About Suomi (2024) 固定されたシチュエーションと入れ替わる登場人物たちが舞台で演劇を観劇しているような気にさせる。三谷監督の笑いは静かで洒落ているので私には合わないと思っていたけど、この作品はとても気に入りました。三谷幸喜という巨大な才能を見に行ったつもりが、輝くばかりの長澤まさみという主演女優の才能の方に目を奪われていました。 演者に当て書きすることで有名な脚本家が、相手によって自分を変えてしまう主役に長澤を当てたのは、それが彼女の本領であると考えたからだろうか。元夫役のキャラクタは演じる俳優のパブリックなイメージと近いのでたぶんそうなんだろう。 スオミと5人の元夫という題名でも良さそうなのを。彼女の話をしようにすることで、相手によって様々な人格を演じ分けている女性が主役ですと示しているのだと思いました。 All About Suomi poster